円安+リンギット高

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私が気になる通貨の動きってやっぱり豪ドルが中心で、そして日本円、米ドル、ユーロドルとなるのですが、あまりリンギットは気にしていませんでした。もちろん使っているチャートにリンギットは表示されませんし、1ヶ月に1度見る程度。

今はどうなっているのか。リンギットの対円チャート、5年分。

まぁ、円安のスピードが凄いですから、リンギットの伸びも凄い。

ただ今日始めて知ったのですが、7日にマレーシアの中央銀行がリンギットが上がりすぎるので、ドル買い介入をしたとのこと。

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これってリンギットの上昇力がかなり強い、強すぎるから介入ってことですが、考えてみてください、この数日の米ドル/日本円の動きって円が売られたというより米ドルが買われたからですよね。だから円安に拍車がかかった。

で、マレーシアが米ドルに対して介入したということは、今、景気が持ち直しているといわれ、株式市場も好調な米ドルより強いって事。

ちょっと気になりませんか?

安くなっている円と、普通のリンギットなら円安の分だけの心配で済みますが、リンギットが米ドルよりも強いとなると、円の動きが止まっても対リンギットでは円安がまだまだ進むってことになります。

マレーシアに何が起きているのか?ちょっとニュースを見てみました。

ヤフー ← クリック

マレーシア関連のところを抜粋します。
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[バンコク 7日 ロイター] 7日の東南アジア株式市場の株価は、クアラルンプール総合株価指数(KLCI)が2日連続で終値ベースの最高値を記録した。

5日に投票が行われたマレーシアの総選挙を受けて投資家が大型株のポジションを築いた。また他の大半の市場も上昇。強めの米雇用統計を材料とした世界の各市場の上伸に追随した。

クアラルンプール市場では、CIMBグループ・ホールディングス<CIMB.KL>やマラヤン・バンキング(メイバンク)<MBBM.KL>といった銀行株が上昇を主導。KLSE総合指数<.KLSE>は1.41%高の1776.73で引けた。前日は3.4%大幅上昇した。

マレーシアの証券取引所によると、海外勢は7日、マレーシア株を9億8986万リンギ(約3億3250万ドル)分買い越した。前日は14億3000万リンギ(約4億8060万ドル)の買い越しだった。選挙によって、市場の圧迫要因が取り払われた。

HSBCは6日付のリサーチノートで、各投資信託は2012年終盤以来、マレーシア資産をアンダーウェートにしてきたが、最近数週間では、よりニュートラルにポートフォリオを変化させつつあると指摘、選挙を見越した動きの可能性があるとしている。

HSBCはCIMBグループ・ホールディングスについて、総選挙による不確実性がアンダーパフォーマンスの一因だとして、同銘柄を最推奨銘柄の一つに挙げた。
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この前の選挙で与党が勝ったというのも背景にあるのでしょうが凄いですね。株式市場に海外勢が押し寄せている。HSBCとしてはアンダーウェイトからニュートラルへ変更ですか。推奨ってことではないのが気になるところですが、まぁ、世界はマレーシアに注目。

不動産市場も同じ。

さぁてどうしましょうか?

ここでマレーシアファンは喜んじゃうところでしょうが、ここは冷静に考えるべきだと思います。マレーシアの不動産市場が盛況なのも、日本の株式市場が燃えているのも(笑)、アメリカが絶好調なのも、本当にそれは経済の実態を表したものなのか。

私は一時期、世界の金がBRICSや石油や資源、穀物に集中したのと似たようなものを感じています。この10年、金融の世界が肥大化して行き場の無くなったお金が世界をぐるぐる回っているのはわかるわけで、サブプライムもそれの現象でリーマンショックもそれの結果でしかく、近年のクズみたいな債権まで値上がりしている債権ブームも異常だと思いません?で、株式が動き出すと金(ゴールド)からは大量のお金が移動してNY、日本市場になだれ込んでいる。それでもまだまだ行き場の無いお金が世界には有り余っているように私は感じるのです。リーマンショックの後、あの時点でも金余りだったはずなのに、リーマンショックから逃れるために各国はもっともっともーーーっと金を刷りまくった。だから円高になったわけで、私は日本円が安全だというのは、日本が安全という意味じゃなくて、輪転機が高速回転していないという意味での安全だったのだろうと思うのです。

でも日本もとうとう輪転機を回しだした。

今はあっちもこっちも浮かれていますが、本当に大丈夫?実体経済はどうなっている?

他国のことはおいといて、日本のことは少なくともわかるわけで、あの株フィーバーだって金融緩和によるだぶ付くのがわかった円が売られて円安になり、それを受けての日本株の高騰。そしてアベノミクスへの期待がそれに被さっている益々高くなった状態。

実態はどうなんだ?

私が気になるのはこの一点のみ。

前に紹介したマレーシアの動画(ここをクリック)の中でも言っていましたよね。マレーシア不動産ブームに実需の裏づけがないと。また、他の専門家がマレーシアのイスカンダルプロジェクトに関して懸念があると言っていた。香港が中国へ返還された後の深センの様には行くまいと。

これは私みたいな不動産音痴がマレーシアを見ても感じることで、住む人も借り手もいないコンドミニアムがどんどん建設され、大型のモールがこれまたどんどん建設されている。これってバブルにしか私には見えないわけです。実需が無いのがわかる。

例えばですね、私が面白いと思ったのはKLCCでもどこでも大型のモールへ行っても買い物袋を下げている人が非常に少ないって事。綺麗な店はいくらでもあるけれど、売れてます?店に客は入っていないのにモールには客がいっぱい。フードコートも客はいっぱい。ただし、そごうへ行った時には地元密着で実際に購買層が来て買い物をしている姿がありましたが、他のモールでは人はいるけれど売れているようには見えない。

これって我々の年代は良くわかるんですね。デパートへ行くことそのものが楽しみであった世代ですから。冷房も効いてるし。(笑)

不動産ブームにしても、実需のブームと単なる投資ブームとの違いって皆さん知っているのだろうかって思うんです。多分、日本在住の人が考える不動産っていうのは、まぁどこにでもある不動産、マンション、一軒家だろうと思うのですが、マレーシアで大きく動いている不動産ってそういう不動産じゃないように私は感じています。つまり、熱海であるとか、北海道のニセコであるとか、ああいう場所で起きた不動産ブームと似ていると思うんです。そしてこの20数年の間に何度も不動産ブームがあったゴールドコーストも同じ。

人口が流入してきて住む場所がなくなって起こる不動産ブームと、不動産投資ブームって全く違うんですよね。あのマレーシアの動画の中で言っているのもそのことだと思うんです。

イスカンダルプロジェクトにしてもそうで、勢いに乗ってガンガンやろうじゃないかという政府の意気込みはわかりますが、マレーシア全土で人口3000万程度。シンガポールは520万程度。両方あわした総人口が3600万人程度なのに、300万都市をジョホールバルに作ろうという壮大というかファンタジーというか、まぁ、バブルを経験した人には世の中の人、開発する側も行け行けムードで突っ走るようになるのが普通だというのはわかりますよね。1980年代を思い出してください。私だってもしかしたら日本はアメリカのGDPさえも追い越すかもしれないなんて思ったくらいです。(笑)

ま、リーマンショックの前にも警鐘を鳴らす評論家、シンクタンクもありましたが、彼らのいうことなんて乗りに乗っている人たちの耳には入らないんですね。でも日本の傷が浅かったのはバブルの怖さを知っていたから。

さて、今のマレーシア、日本の株式市場、アメリカもそうですが、実態はどうなのか。

ここは注意するべきところだと私は思っていて、一番気になるのが中国の動向です。これの動き一つでリーマンショックどころじゃないことが世界に起きますから。でも気持ちとしては中国もうまく危機を乗り越えて、アベノミクスも成功して、アメリカもTPPで日本市場を食うことなく発展してもらいたいです。そうじゃないと本当に困る。絶対にうまく行ってほしい。

でもアベノミクスしかり、もしこれが失敗したらどうなると思います?お金はジャブジャブにして政府の借金はもちろん1000兆円を超えて、そして(原因は別にして)結果的に失敗だとなったら次期政権は間違いなく緊縮財政に走り、増税し、多分恐ろしいこと、つまり多くの日本人が日本の将来に関して想像していたことが本当に起こるかもしれない。ギリシャのことを他人事には思えない時代が来るかもしれない。

でもギリシャに比べて日本が有利な点が一つあるんですね。日本には日本円を自国で刷ることが出来るってこと。私の考えるギリシャの(EUのというべきか)悲劇は、自国で通貨を発行管理できないことだと思っています。景気が悪くどうにもならなくなれば、どこの国でも自国通貨安で復活を狙うことが出来るんですね。輸入は激減し、輸出産業が生き返るかもしれませんから。でもEU諸国はそれができない。

つまり日本の場合は破綻することがあっても、その後極端な円安になって、またそうしてどうにか生き返りを狙う方法があるってこと。でももっと円安が進むってことは・・・・・・。怖いですね~。

アメリカも同じで綱渡り状態でしょ。中国もそう。今は世界がどうにか不況から出られる光明が見えているような雰囲気にはなっていますが、実態がどうなっているのかもわからず、将来のことはもっとわからない。本当に嫌な、怖い時代だと思います。我々が知っている過去の不景気とはかなり様相が違うような気がします。世界に勝ち組が存在しない総倒れの中の食い合いに見えます。昔の不況はアメリカでもどこでも豊かな相手を探してそこに入り込めればどうにかなる不況だったような気がします。

ま、そんな中でこれからも伸びるのは東南アジアだとは思いますが、大国が皆ひっくり返れば所詮簡単に吹き飛ばされてしまう経済規模でしかないし、前から書いているようにマレーシアの政策金利は安く据え置かれて政府がバブルを作っていると私は思うわけで(政策金利は3%据え置きになりましたね)、インフレの方が大きいと思っています。でも今の世の中ではこういう拡大政策を取らないと駄目なんでしょう。中国も同じ。

投資ってやっぱり裏づけが大事だと思うんです。実体経済はどうなのかってこと。そして実需があるのかってこと。実需はどうあろうと相場ってのは上がっていれば買い。下がっていれば売りなのは間違いが無いですが、それって相場師の考え方で一般投資がそれじゃ困りますよね。実需がないのにどんどん生産を続ける工場を想像してみてください。また客は客で使いもしないものなのにどんどん値上がりするから買い捲って在庫を溜め込んでいる。それを後で売れば儲かるだろうって。

この10年の世界のお金の動きって足が凄く早くなっているのも特徴の一つだと思うんです。世の中の投資家も投資家って言葉が似合わなくて相場師化している。

まぁ、株式にしても不動産にしても、昔からの考え方は通用しないと思っています。じゃぁどうするかですが、お金の動きが早くなっている世の中ですから、多少なりともそれにあわす必要があるだろうし、まぁ、それぐらいしか出来ないと思っています。出撃も撤退もすばやく動ける投資家じゃないとこれからの世の中は大変だろうと想像しています。

でもま、ジジババってそんなに長生きしないという利点がある。これから40年も50年も生きなくてはならないとしたら計画も練り直さないと駄目なはずで、それをしないで済むというのは救いかもしれないってマジで思うんですよ。

今、こんな歳になって思うことは、長く生きたからと言って過去の経験が生きる場面って投資の世界ではあまりなさそうだということ。まぁ、科学技術の世界も同じでしょうが、過去は過去でしかないのね。将来は常に未知の世界であるという当たり前のことがわかるだけ。

ま、本当に日本もアメリカもマレーシアもそしてオーストラリアも頑張って欲しいです。もういい加減不景気だ、金がない、ああじゃこうじゃという愚痴ばかりが氾濫する世の中には飽き飽きしました。でも見るべきものを見ずに、自分の楽しみに没頭するのも私にはアホとしか思えないし、やっぱり右肩上がりではなくても良いから各国はそこそこの経済レベルを維持して欲しいなぁ。

って毎度の話で脱線につぐ脱線ですが、とりあえず目先の話としてリンギット高、円安ってのがあるわけで、そのトレンドはそれなりに続くんでしょう。それにどう対処するかはしっかり考えるべきだし、かといって、不動産を買おうなんて素人が短絡的に考えるのは駄目だと思うし、まぁ、自分がわかる範囲で積極的に攻めていかないと、しかし逃げ足も速くないと世の中の変化に負けるのは間違いがなさそうですね。

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