海外で命の次に大事なもの それはビザ

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前に日記に「子供が大人になったときのビザ」に関して書きましたが、結構これを重視していない方がいらっしゃったのにびっくりしました。ということでビザに関して。

今日の日記の表題は「海外で命の次に大事なもの それはビザ」にしましたが、これって大げさではなくてその通りだと思っています。どんなにその国を好きだろうが、お金を持っていようが、技術や知識、経験があろうが、ビザがなければその国に居住することさえ出来ない。当然就労も出来ないんですから。

当たり前のことですが、マレーシア関連を見ていますとこのことに関して簡単に考えている方が多いような気がします。

なぜか?

それはマレーシアのMM2Hに代表されるように簡単に手に入るビザがあるからだろうと思います。また就労ビザですが、私から見ると比較的簡単に手に入る国に見えます。現地に来て仕事を見つけて(ビザを取ってもらい)就職したなんて人が結構いるようですね。私の知っているアメリカとかオーストラリアではまずこれは不可能に近いくらい。

えーー、簡単じゃないよ~、って言う方も多いかもしれませんが、私が知っているアメリカ、オーストラリアと比べると簡単に見えます。

ま、MM2Hに関してはこのように(そこそこの資金と収入があれば)誰にでも取れると言って良い様なビザを用意している国は世界的には珍しいんですね。またこのビザの特色はそのビザを保持する条件が低いということ。一度取ってしまえば10年毎に簡単に更新できることと、ビザの維持の為にマレーシアに住む義務がないということ。

MM2Hは永住権では無いけれど、永住しようと思えばできてしまう。でも実態は就労の権利もありませんし、マレーシアの社会保障を受ける権利もなく、限りなく観光ビザに近いと思います。ただ滞在可能期限が(異常なほど)長い。

こういうビザは世界中見渡しても存在しないわけで、似ているビザとしては年齢、所得制限などのある退職者ビザか、あるいは永住ビザを取るしかない。

こういう簡単に取れるビザで家族もろとも居住できるのは非常に有難いわけですが、問題は子供達なんですね。永住権なら良いですが、他のビザの場合、子供達が大人になったときに居住する権利もなければ就労もできないのが普通。

つまり子供に取っては、海外に留学しているのと全く同じ状態だということ。卒業後、その地に留まりたければなんらかのビザを取らないとならない。MM2Hは年齢制限がないですからそれを取れば良いのでしょうが、就労の権利がなくてもよいのかどうか。当然、失業保険も健康保険もないし、将来の年金も無い。

ないのなら取れば良い?

ま、そういうことになりますが、就労ビザや永住ビザを取るのは簡単にできるのかどうか。

最近の風潮として「移住しました」という「移住」という言葉を使う人が増えていますが、私にしてみるとこれは非常に危険な考え方だと思っています。移住とはそこに住み続けることだと思うのですが、住む権利がなくして、あるいは自分の意思で決められなければ移住も何もないんじゃないでしょうか。いつか帰らないとならないなら、それは移住じゃなくて短期的な「引越し」、「腰掛」でしかない。

MM2Hならまだどうにかなりますが、帯同した子供達は?

また親が就労ビザを持っていても同じで、子供が成人したら?

どの国でも永住権を取るのは簡単では無いですから、就労ビザを取る方向で考えることが多いかもしれませんが、この就労ビザが比較的簡単に取れたにしても、転職が自由に出来るわけじゃないし、病気にでもなったらアウト。延長、更新をしてもらえない、できなければ帰国するしかない。

こういう状態で移住だなんて言っていて大丈夫なのでしょうか。

アメリカとかオーストラリアに来ている日本人で、永住権を持たない人たちは、「移住してきました」とはまず言わないし、聞いたことも無いです。いつか帰るのが前提ですから。そして帰りたくない人はどうにかして永住権を得ようとするのが普通。でもどういうわけかマレーシア関連では永住権もないのに移住してきましたという人が多い。MM2Hなら取得した本人は良いけれど、子供達は別で、この人たちはちゃんと将来を考えているのかと思うことが結構あります。移住と言いつつ実態は長期観光に子供をつき合わせているのと同じ。

就労ビザを持っていても更新できずに帰国する人なんていくらでもいるわけですが、本人は良いけれど子供達もそれでいいのかどうか。子供は現地で(あるいは他の海外で)生きて行こうと考えていても、日本に帰らなくてはならなくなった海外育ちの子供達はどうなるのか。

この辺は、昔から海外転勤が多い人たちはちゃんと考えていて、海外での子育ては「経験」に留めておくとか、子供がある程度の年齢になると子供は日本に戻すとか、あるいは赴任地とは違う特定の外国に留学させるケースが多いと思っています。現地人と同じ様に育ててしまうと大変なことになるのを良く知っている。

ということで、子供達がどこに住むのかは子供達に決めさせたいと思うのであれば、少なくとも居住地の永住権を(子供の為に)取るのは親の責任だと私は考えています。でももしそれが出来ないとしたら、最終的には国籍がある国でしか住めないわけですから、日本に帰らなければならない可能性を常に考えるべきじゃないでしょうか。つまり日本に順応できるように育てないと子供が可愛そう。

子供をどう育てるかということと、どういうビザを持っているかというのは無関係じゃないということ。ここはかなり重要だと思ってます。

これって考えてみれば、一体何のために海外で育てようと思ったのかという原点と相反することになるわけですが、ビザがないとそういうことになるってことだと思います。

で、マレーシアの永住権ですが、私は(自分のためにも子供のためにも)取ろうと思っていませんから全く調べたこともありませんでしたが、先日の日記を書いたところ、それに関する記述があるURLを紹介してもらいました。

マレーシアのイミグレ  ← クリック

要約すると

a. Individual Investors with minimum USD 2 million Fixed Deposit (FD) in Malaysia (High Net Worth Individual.

b. Experts (Highly Talented and High Skilled Individual)

c. Professionals

d. Spouse of Malaysian Citizen

e. Application for Permanent Residence Status Through the Point Based System

見た感じでは他国と似たようなもんで、大きな資金を投資する人、特技を持つ人、プロ、そしてマレーシア人と結婚した人。そしてポイントシステムで、それぞれの項目の合算であるレベル以上なら取れる。

ただこういうのって、ガイドラインはわかっても実際にどうかというのはこんな説明を読んでもわからないんですね。また巷の情報、噂も結構いい加減なことが多く、やっぱりプロに相談するしかないと思っています。

前に日記にこの子供のビザに関して書いたときに、もう10年以上マレーシアに家族と共に住み働いている人から「子供のビザを考えたことがなかった」とコメントをもらいました。子供が小さいと気が付かないのかもしれませんね。

この辺を簡単に考えている人って少なくないようで、実は日本からの子連れ移住(この移住という言葉は適切では無いと私は常日頃考えていますが)が増えてきて、その人たちの為に「インターナショナルスクールの視察ツアー」なるサービスもでてきました。これに関して警鐘を鳴らす人もいるんですね。

つまり、日本から来た人も、インターを紹介する人も、子供が大きくなったときの事を考えていない、知らない人たちであると指摘する人がいます。特に問題点があるのはそのツアーの開催者だとのこと。実際にマレーシアの教育事情を分かっていない人がやっているとしか思えないと聞いたことがあります。素人が素人を案内する。つまり、インター校にもいろいろあるわけで、環境が良いかとか雰囲気はどうだとか小さな子を持つ親ならそんなことが一番気になるわけですが、子供が大きくなってくれば、進学率とか就職率とか、あるいは卒業時に取れる資格とか、それが非常に大事になるはずですよね。

学校選びにツアーを使うなんてこと自体、私は不思議に思うくらいで(とりあえずの見学としてはアリ)、また学校ガイドにしてもそうで、まぁ、最初はそれを使うにしても、最終的には実際に通っている生徒、親、卒業生、地元での評価、それを調べ、重視するのが当たり前ですよね。親に聞いても自分の子供が通っているインターをアホが行くインターだという人もいないはずで、調べるのも結構難しいはず(一番良いのは塾の先生に聞くことだと思う)。これは不動産も同じで、ツアーで選ぶということの異常さがあると思っています。こんなことは日本を考えればわかることで、そんな方法で選ぶ人はいない。でも海外だからわからないとか、言葉が・・というのであれば、そもそも海外なんかに出るべきじゃないってことだと思います。そういう選び方をすれば必ずそのしっぺ返しが来るんじゃないでしょうか。

前にも子育ての話が出たときに、高校を出ても、出た事にならないケースがあるとかそんな話も聞きました。また金持ちが行く名前だけ有名なインター、アホが行くインターもあるそうで、そんなことも知らない人がそういう学校を良い学校だと紹介しているのを見て、これってうまくないと言う現地に詳しい人もいました。またマレーシアは学歴社会だという方もいて、事務職に付くだけでもこれだけの学歴が必要だとか、大学へ行くにはどういう中高を選ぶべきだとか、そんなことを書いているブログも見た覚えがあります。

ま、自己責任ですからどうなろうとしょうがないですが、学校選びにしても、将来の子供のビザに関しても親の責任は重大だと思います。

これは私も同じで、当初は我々夫婦のマレーシア行きは単なるロングステイとしてしか考えていませんでしたからMM2Hで十分。ただ状況が変わってきまして、長男(25歳)の日本での就職をやめさせて一緒にマレーシアに行ってトレーダーにするという(とんでもない)話になり、さて子供のビザをどうするか考えている最中です。ま、そんなこともあってビザの話題をブログにも書いているわけですが、息子には起業ビザを取らせる方向で考えています。

これはマレーシア在住の方に聞いた話で、起業ビザは結構取りやすい(オーストラリアも同じ)というのが理由です。起業する予定でいますし。でもMM2Hでも良いかもしれません。

どちらにしても息子はまだ若いですし、もし将来結婚してマレーシアに住みたいとなるのか、単なる腰掛になるのかわかりませんが、今の彼の国籍である日本国籍は当然として、オーストラリアの永住権は捨てずに済む様な形を取る方向で考えています。オーストラリアの永住権は5年の内の2年間をオーストラリアで過ごさないと永住の意思がないとして永住権は消滅してしまいますので、その維持は簡単そうで簡単ではないかも。

またもしマレーシアの永住権を取れるのであるならば取るのは良いと思います。ああ、聞いた話ですが、マレーシアの永住権は取ってしまえばOKで、それを維持するためにマレーシアに居住しなければならないとかそういうことが無い珍しい永住権だそうです。この辺の確認はしていませんので、違うぞという方は是非教えて下さい。

ま、国際人だのグローバルな人間に育って欲しいのと巷では理想論を言う人は多いけれど、世界の国々はそんな人を簡単に受け入れてくれるわけじゃないというのが現実。ましてや自国に多大な貢献をしてくれる外人じゃない限り就労ビザなんて出したくないのはどの国も一緒。

親がビザのことを簡単に考えていると、その分、一緒にくっ付いてきた子供が苦労することになる。

ビザが取れなくて帰国したとか、数ヶ月ごとに出たり入ったりしてるとか(これも本来は出来ない)、不法就労しているとか、こういう人たちって恐ろしいほどの数いるんですよね。でもそんなことを自ら言う人はいない。また、自分が、自分の子供がそうなる可能性を考えている人って少ないのかもね。

ま、その時はその時って考え方も良いのかもしれないけれど・・・・・・。

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MM2H取得に必要な定期預金ですが、年齢に関係なく30万リンギットになるという情報をもらいました。真偽のほどはわかりません。

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