またお金の話です。すいません。(笑)
日本は海外に遅れを取っている感じがありますが、なんと世界の富裕層ランキングで「日本は第三位」に浮上したとのこと。この1年間に富裕層(金融資産が1億円以上)が40万人増えたらしい。
凄いですねぇ。
これって「日本が底上げした」のなら良いけれど、どう考えても【格差が広がった】としか言いようがなくて、なんだかそれでよいのか日本!って感じですね。
なぜ富裕層が突然大きく増えたかと言うと、「投資がうまく行った」ということですが、特に「アメリカの株式、インデックスETF投資で大きく増えた」ということと日本国内で考えれば「円安」が良い方に動いたから。
だから投資をしろ、投資しないと将来は危ういという【常識】が形成されていくけれど、私はやっぱりそれでよいのかって思うんですよ。
いつも書いていますが、今の若い人たちは「日本のバブルの絶頂期」は知らないどころか、生まれていない。50代、60代でも「当時は若くてバブルは関係なかった」様な人が多いんじゃなかろうか。
私は当時は30代で、バブルの中を生きていましたが、あの頃の「盛り上がり」は今どころじゃなかったんですよ。株も不動産もどんどん上がるし、仕事は調子が良いし、給料も上がったはず。
前にも書きましたし、自慢でもなんでも無いのですが、私の980万円で買った小さなワンルームマンション(23平米)が10年後の1990年には5500万円で売れました。今、不動産の値上がりが凄いと言うけれど、あの当時の方が凄かったわけです。私鉄沿線の1800万円だった一戸建てに中古で1億の値が付いたり。
これは「銀行がいくらでもお金を貸してくれた」からなんですね。銀行が「お金を借りて欲しい」と言って来る時代。
「この世の春」ってああいうのを言うんだろうと思う。
だから世の中は【投資をしないやつはバカだ】という感じだったですかね。今の盛り上がりどころじゃなくて、「富裕層が大量生産された」という意味でも【今より凄かった】と思う。
だから「乗り遅れた人たち」も【今からでも遅くない】【やるっきゃない】と思ったはず。
その感覚も今と比べたら「凄い盛り上がり」だったと思う。
でもねぇ、やっぱり「バブルは弾けた」のね。
これも「後になってからバブルは弾けた」のがわかるだけのことで、「下落が始まった時」は「こまりましたねぇ」「でもそんなこともあるさ」と誰しもが思った。だから「下げたのは買い増しする好機だ」と考える人も多かった。それは株でも不動産でも同じ。
これが悲惨なのは、「高いところには手が出なかった人たち」が【安くなったから参入するチャンスだ】と新たに入ってきたことだと思う。
ところが値が20%落ちても30%落ちても止まらない。50%になっても止まらない。
でも途中で「小さな上昇場面はある」わけですよ。そこで、「良し、これから戻るぞ!」とまた市場に入ってくる。一度、利食いした、逃げた、投げた人たちもまた「帰ってきた」のね。
そして延々、約20年間も下げ続けたわけですが、これを予想できた人っているんですかね。
私はこのチャートを見ると「自分の人生の縮図」を見ているような気がするし、値動きを見てもその時その時の世の中が「走馬灯」のように目に浮かんできます。
高値からの「下落率」はなんと【82%】。そして高値を取り戻すのに掛かったのは「34年」という長さ。
これは「不動産」も同じで、1割2割値下がったどころじゃなかったのね。特に土地の値下がりが大きかったと思っていて、「半額以下に値下がり」した土地も多かったはず。で、残ったのは多額の借金。一時、「不動産王」と呼ばれた演歌歌手の千昌夫が2000億円以上の借金を抱えたというのも大きく報道されました。
今でも「あの当時の高値」に届いていない不動産ってごっそりあるんじゃなかろうか。ちなみに私が売ったワンルームマンションですが、今の価格はあの高値の半分以下の2200万程度の様子。
こういうバブル+バブルの崩壊は「歴史的には何度も繰り返されている」わけで、たまたまそれが起きるというより、【バブルが形成される道のり、そしてそれが弾けて、また戻り、繰り返される】のが「人間の一生」と同じ様な【普遍の動き】だと思う。「物理法則と同じ」みたいな。
ただし近年は「政府が株式市場と深い繋がりを持っている」し、「年金や保険」の巨大な資産がこの市場で運用されているし、アメリカほどではないにしても「日本も株式市場に投資をする一般人」が増えたから、【市場原理のままに放置する】という時代じゃなくなった。
つまり、「株価が下がると政府も困る」わけで、「政権さえもそれに左右される」から、どんな手を使っても「株価の安定」「株価の値上がり」を重視する。
これって良いことと言えば良いことだけれど、「国民は投資で稼いでいるのではない」し、投資家が増えたと言ってもそれは「過去に比べたら」の話しで、「投資はしていない人たちの割合は非常に多い」状態。
「労働の対価」としての収入、資産づくりが難しいからと言って「投資で稼いでください。でも自己責任ね」って、やっぱりひどい世界だと思うし、それって「会社が十分な給料を払えないから、毎日の仕事が終わってから関係会社に行ってアルバイトをしてくれ」ってのと同じじゃないですか。
でもそれを騒いで「給料を上げろ」「労働環境を良くしろ」「補助金を出せ」と言ってもそれを当てにすることは出来ない。
でもねぇ、私は思うんですよ。
格差が広がるのはやっぱり放置するべきじゃないし、でも「金持ちは放っておけば良くて、彼らは勝手にどんどん進んでいく」でしょう。でも「取り残された人たちを放置」すると、私は必ず「国家は崩壊する」と思っているのね。
だから私が世界を見る時は、「金持ちは無視」するんですよ。でも「底辺の人たち」、そして特に「中流だった人たちが落ちていくスピード」を気にしながら観察するクセが着いています。
「中流だった人たちが落ちていくスピード」が一番重要で、例えば中国にしても「金持ちは金持ち」で凄い勢いで伸びているじゃないですか。でもその反面「中小企業の倒産が凄い勢い」で「就職もできない人たち」がどんどん増えて、ホームレスも急増している。
私が中国を見る時には「その中流以下の動き」を気にしていて、それを見ていると「中国にとんでもないことが起きる」あるいは「起こす」と思っていて、それは上海や北京、あるいはまだまだ伸びているという深圳を見ていたらわからないことかもしれない。
でも中国は民主主義じゃないし「底辺を平気で切り捨ててきた文化を持つ国」だと思うし、でもやっぱり中国共産党が恐れているのは「大規模デモや暴動、反乱」だという。それは歴史を見れば当然で、「中国の歴史において多くの政権(王朝)は、最終的に大規模な反乱や民衆の暴動、それによって派生した内乱が直接・間接の契機となって倒れた」じゃないですか。
それは「世界共通の歴史」だと思うし、それはやっぱり「中流以下の人たち」を無視したからであり、「中流だった人たちが落ちていくスピード」を見れば、【その国の将来がわかる】と言って良いと思う。
「投資をして自助努力で頑張れ」なんてのは、私は「政府の責任の放棄」だと思うぐらいで、でも「投資を積極的に始めた層」は【救われる時】【裕福になる時】もあるとは思う。
でもそれは所詮、「株式市場や不動産市場」が順風満帆な時であり、政府がそれを維持しようとしても「可能なのかどうか」は疑問。というか、そもそも株式市場が順調なのは「先進国の一部」でしかなくて、世界の国々は同じ様にしようと思っても「大苦戦」し、「国力をどんどん落としていく国が多い」。移民問題だってそこが解決できないからで、「先進国の勝ち組」だけを見ていたら「世界の将来」は見えないんじゃないかなぁ。
市場が好調な時に「金持ちが増える」のは当たり前で、でもバブルとバブルの崩壊後を生きた私は、「バブルで大儲けした人ほど、後の落ちぶれ方も凄かった」のも見てきたんですよ。つまり皆が「株じゃ不動産じゃ」と大騒ぎしている時に「手を出さなかった人が結果的に助かった」ということ。
ここは非常に重要な点だけれど、市場が好調な時に「水を指すようなことは言わない」のが常識だし、それを言えば潰されるのね。バカ扱いさえされる。
政府も頑張っているとは思うけれど、頑張った結果が「日本政府の莫大な負債」であり、「アメリカ政府の前代未聞の巨額な負債と利払い」でしょう。それでも「国民が豊かならまだ良い」にしても、「それが崩れだしたら大変なことになる」はずで、だから私は世界の「中流だった人たちが落ちていくスピード」を気にしてみている。
これは戦争と同じで、「戦況が悪くなる」と「悪あがきをするケース」もあって、それで「好転」することもあれば「状況はもっと悪化する」こともあるわけで、でも今までの日本やアメリカを見ていると「悪あがきをして良くなったことがあるのか?」と思うんですよ。
私が思う転換点って2008年のリーマンショックだと思っていて、あの惨劇を乗り越えるために「各国はお金を刷ってばら撒いた」のね。そしてそれはうまく行ってどうにか乗り越えることが出来た。でも「そのやり方が常態化」して、【何かあるとお金を刷ってばら撒く経済】になってしまった。【借金誘導型経済】と言って良いと思うし、それでにっちもさっちも行かなくなったのがアメリカでしょ。
つまり今のまま行っても「いつか大きな精算をしないとならない時が来る」様に見えるわけで、ではどうするべきかなんて難しいことが私にわかるわけもなく、ただただ「観察」していると【好転するようには見えない】し、でも「今は良く行っている様にも見える」し、それは「政府の努力の結果」かもしれないけれど、それって「重病人に大量の薬や点滴を与え、ほら、元気になったでしょ?」というのと同じだと思う。
でも「好転するかもしれない」し、「常に悲観的に考えるべきではない」のは当たり前だけれど、「乗っている船が沈みそうになってもその船にしがみつくべきかどうか」ってのは常に考えるべきだし、「その時が来たらどうするか」は「事前に準備しないと対応できない」はず。
そもそもそうやって「人類は多くの苦難を乗り越えてきた」はずで、「どうにかなるっしょ」で長く続いた文明も政権も、そして人の命も【無い】んじゃないですかね。
レイ・ダリオ(世界最大級のヘッジファンド「ブリッジウォーター・アソシエイツ」を創業したアメリカの著名な投資家・起業家)が説明する「ある国が世界の覇権を握り、経済的に繁栄し、やがて衰退して、別の国が新たな覇権国になるまでの歴史的なサイクル」を無視はできないと私は思うし、これは「歴史の事実」だと思うんですよ。
そして覇権国はどの国も同じ様な波に乗り、変化してきたのが世界の歴史。
歴史を長い目で見ても関係ないじゃん、みたいに思うのも当然だけれど、でも今、私たちは「転換期に来ている」という認識があっても良いんじゃないですかね。あるいは「今、大きな波のどの位置にいるのか」を認識するのは重要だと思う。
またこんな大きなサイクルじゃないにしても、私が生きてきて記憶がある数十年でも「常に大きな変化はあった」わけで、その波に乗り続けて生き残るのは簡単じゃないのは、「日本の大企業の歴史」を見たってわかるじゃないですか。
じゃ、どうやって生き残るのか。
その答えは実は簡単で「流れ、波に乗るしか無い」のであって、「現状維持しか考えない」、あるいは「下手に将来を予想し、それに固執して生きると取り残される」ということだと思う。
だから上に書いた「日本のバブルとバブルの崩壊」でも、「流れ、波に乗る方法を知っている投資家」は【生き残った】だけじゃなくて「上げと下げと両方で儲けた」ケースもあるはず。
でもあえて、往復ビンタで利益を出したなんてことを言えば、妬み誹りの対象になるだけだから、沈黙は金となるし、そういう人が口を開けば「値が高い時だからこそ、次に来るかもしれない下げでも利益を出せる準備をしろ」というはずで、でもそれも「非難の的」にしかならないのね。
自分がどうするべきか、なんてのは「歴史をしっかり見てみればわかること」かもね。



