特製スパゲティ

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久しぶりにパスタを食べました。

私はパスタは大好物なんだけれど、これほどのデブの元って無いんですよね。量を加減すればいいのよ、とヨメさんは言いますが、中途半端に食べるとイライラしてくるので駄目。

でも本日の昼食はパスタ。

皆さん、壁の穴っていうスパゲティの専門店をご存知ですか?

渋谷の宇田川町にあった有名店で、今はあちこちに支店があるらしいですが本店は本当に小さな小さな店でした。私が高校生のころですから、今からもう40年以上前ですか、この店が好きで良く通っていました。

で、ひょんなことが切っ掛けで壁の穴でバイトをすることになりまして、数ヶ月ですがキッチンハンドをやっていたことがあります。洗い物は当然ですが、コーヒーや紅茶を入れるのが役目。それとあるメニューだけは私が作っていました。それはタラコスパゲティ。

当時、タラコスパゲティには二種類ありまして、一つはバター+タラコ、もう一つは卵の黄身+タラコ。これを木の器の中で潰して混ぜたところへ、湯で上がりのパスタを入れて混ぜる。そして少量の海苔。

こんな感じでしたが、この二種類を混ぜた特製を頼む客もチラホラいました。って、私がそのバターと卵の黄身を両方混ぜたものが好きで、タラコスパゲティを好きな客には私が薦めていたこともあるのですが、これがちょっとしつこいけれど美味しいぃ~~~。

それを思い出して、今日作ってみました。

バターと卵の黄身、それに今回は明太子を入れて混ぜます。それに茹で上がりのパスタを投入して混ぜるだけ(それと若干のコショウ。タラコの場合は塩も入れる)。そして刻み海苔と明太子をトッピング。それだけ。

美味しかった~~~~。でも量が足りない・・・・。

ヨメさんに、これと同じ物を作ってあげようと思ったのですが、卵の黄身はいらないとしつこく拒みます。

そもそも壁の穴のタラコスパゲティはバターか卵かどちらかだったわけで、両方混ぜたら変になるからそういうメニューはなかったのよ、というのがヨメさんの意見。

言われてみればその通りなんですが、この方が私は美味しいと思う。

で、ヨメさん曰く。「こういうシツコクてコレステロールの塊りみたいな食べ物が好きな人って、きっとあんたと同じ体格をしてる人でしょうね。」だとさ。

うっせ~~。

でも壁の穴のことを思い出しながら食べて、ちょっと懐かしくていい感じでした。

当時の壁の穴はオーナーが料理をしていて、本当に美味しかったです。でも段々有名になってきてオヤジさんは厨房に立たなくなってきました。これってやっぱりガラリと味が変わるんですね。

私の大好きだったメニューに「鮭のホワイトソーススパゲティ」があるのですが、今でもあの味を思い出しますが本当に美味しかった。そしてその他のホワイトソースに牡蠣、鶏もあったのですが、それぞれは全く別の鍋でそれ専用にホワイトソースを作っていたんです。

でもある頃からオヤジさんじゃなくて若いシェフが料理をする頃にはそれも変わって、ホワイトソースはホワイトソースで作っておいて、客の注文があってから小さな鍋にホワイトソースを入れ、鮭を入れたり、牡蠣を、鶏を入れてちょっと煮て出すという形に変わった。これって普通といえば普通なんでしょうが味がまるで違うんですね。

ああ、この店はもうこれで終わりだなと思いましたっけ。でもその頃からどんどんその店は大きく有名になっていった。

あのオヤジさんの料理だから美味しかったのであって、オヤジさんが料理をしない壁の穴なんて全く興味がなく、その後、他店舗展開をしましたが一度も行ったことがありません。オヤジさん自身も早死にしちゃいましたし、今のあの壁の穴グループって誰が作ったのだろう。お子さんがいる話は聞いたことが無かったし、当時は店で親族が働いてもいなかった。ビジネスを売ったのかな。

壁の穴でバイトをする切っ掛けがこれまた面白い思い出でもあります。

現在の私は軟派に見られることが多いのですが、高校時代は結構硬派で、知らない女性とは絶対に口も聞かないし、学生服もちゃんとカラーには白いあのプラスチックをはめ、当然フックは必ず閉める。帽子もきっちり被る高校生でした。でも帽子の形にはちょっと懲りましたが。(笑)

でも慶応や立教の連中のおしゃれとはちょっと違う感じ。なんていうのかなぁ、当時の慶応や立教の連中はいわゆるアイビーリーグ系のVANとかJUNの方向なんですね。でも私は正統派の学生らしい格好でした。長い学ランとかダボダボのズボンなんてのは話の外でした。でも冬には私は長いマキシ丈のコートを着て学校に行っていたし、やっぱり変わり者だったのかも。

で、そんな格好をしながら学校の帰りには渋谷や青山を学生服をきっちり着たままでブラブラする高校生で、友人と食べ歩きをしたり、まぁ、壁の穴には週に1度は必ずいっていましたからちょっと変わった高校生ではあったろうと思います。これって私が付き合っていた友人たちの多くが慶応の大学生であったのが原因かも。

ある日、壁の穴のオヤジさんが私に聞くんですよ。「芸能界に興味ある?」って。

なんでまたそんなことを聞くのかと思いましたが、当時は今みたいにアイドルがどうじゃこうじゃなんてなかったし、グループサウンズは音楽屋さんでしたし、私にとっては静かな芸能界の時代で、芸能界というとイメージするのは映画に出る俳優みたいな感じでした。

「どうしてですか?」とオヤジさんに聞いたところ、壁の穴は渋谷の宇田川町にあってすぐ近くにNHKがあります。で、客の多くはNHKの社員や映像とか音楽関係の人。そんな客の中にNHKのディレクターがいて、私がその店にちょくちょく来て遊んでいるのを見ていたらしいんですね。で、あの子を使ってドラマを作ってみたいと思うとオヤジさんに言っていたらしいんです。

「マジ~~~~~~~~?」

そりゃそんなことを冗談でも言われたことはありませんからその気になっちゃいましたよ。すぐにでもそのディレクターのところへ行きたいと思ったのですが、オヤジさんはそのうちまた来ると思うよ、ってな軽い返事。でも私としてはいつ来るかわからない人を待つなんてこともできませんし、オヤジさんに是非紹介してくれと頼んだんです。でもオヤジさんとしては客として覚えているだけで、名前も部署もわからない。だからまた来るまで待つしかないという返事。

ううううううう、と思っていたところ、「うちでバイトするかい?そうすればそのうち会えるだろうに」とのこと。

お調子者の私はすぐその話に乗ってバイトを始めました。夜5時から11時までだったかなぁ。当時は目黒に住んでいましたが、バイクで毎日通いました。

そして、1,2ヶ月たった時、とうとうそのディレクターが店に来たんですよ。オヤジさんが「この人だよ」って教えてくれたと同時に、その人に「この子があの子ですよ。」と意味ありげな紹介をしてくれた。

その時にそのディレクターが言った言葉。

「君ぃ。そんなに太ってたっけぇ?」

この言葉で私は出鼻をくじかれ、そのディレクターもそれ以上何も言わず、この話はこれで終わり。(笑)

しかし壁の穴のオヤジさんには本当に世話になりました。私はいつもツケで食べていたのですが、支払いは年に一度だけ。それもオヤジさんからは一切請求されたことがありませんでした。こちらから言い出すと、じゃぁ15000円でいいやとか20000円でいいやという感じ。一年分の料金がこれですから、そして壁の穴にはかなり高いメニューもありましたのでただ同然で食べさせてもらったのと同じ。バイトをしているときにも食事は何でも好きなものを食べろといわれていたし、遠慮しているとステーキを焼いてくれたり、本当によくしてもらいました。しかしなんで私にあんなにしてくれたのか未だに不思議です。

私の芸能界への道は簡単に閉ざされましたが、人生ってわからないですよね。そんなのが切っ掛けで芸能界に入って売れちゃったなんて例はいくらでもあるし。もしもあの時、話がとんとん拍子で進んでいたらどうなっていたんだろうと思うことがあります。でも、そうだとしたら今の私はいないわけで、やっぱり今の私で私は嬉しい。

芸能界からの話ってことでは、うちの姉も高校生のときにこんな話がありました。

ある時、家に変な男が訪ねてきまして、「娘さんを是非コカコーラの宣伝に使わせていただきたい」とのこと。コカコーラの社員でした。町で姉を見かけて家まで着けて来たらしい。

親父は「とんでもない!」と追い返しましたが、もしかしたら姉もまるで違う人生を送るようになっていたかも。

そうそう、コカコーラの広告ですが、我が家の長男が出たことがあります。えーと、アクエリアスですが、オーストラリアでCM撮影をしたときにその他大勢としてほんのコンマ何秒だけ映りました。(笑)

でもコカコーラって本当に金のある会社だと思ったのが、そのCMですが、長男のようなその他大勢が40名ぐらいだったでしょうか。プールでオリンピック選手と現地の高校生(設定は日本)が競争をするという設定でしたが、たった半日の撮影なのに500ドルぐらいもらいました。と同時に、別の日に、その子供たちと親を招待して100人以上でしょうか、高級中華料理屋で半端じゃない豪華な食事をさせてもらいました。あのオーストラリア人のオリンピック選手ですが、あの撮影だけで5000万円とかでしょ。不思議な世界です。

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