【重要】「遺言書・信託」の基本の基本

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最近、私は遺言書、信託、そして銀行口座がどうなるのかとかそのへんを調べてブログにも書いていますが、これの基本になっているものを紹介しておきます。

私は、要はこの情報を「自分でも確かめている」状態でしかなくて、読者の方々ももし基本的な知識を持っていないと、「ダボって一体何をしているんだ?」となるはず。

でもま、結論としては「遺言書、あるいは信託」がないとかなりややこしいことになるのは間違いがないのですが、「マレーシアの特殊性」を考えないと駄目なんですね。日本もマレーシアも同じだろうと思ったら大違い。

ということで、私達が持つべき基礎知識としてあるサイトの文章を紹介します。

これが書かれたのは2007年の12月30日ですが、現在も大筋では全く変わっていないと私は考えています。

書いた方は多くの方がご存知の「阪本恭彦氏」で、今のマレーシアロングステイブームの火付け役の方です。この阪本氏を中心にしてグループが立ち上がり、今の「セカンドホームクラブ」「ご褒美人生の泉SNS」、そしてブログの「ご褒美人生マレーシア」もその流れをくんでいます。

阪本氏は奥様の洋子さんと情報発信をするサイトを作っていたんです。これが最初の最初の情報発信だと私は思っているのですが、かつてはそのサイトが「マレーシアロングステイのバイブル」みたいだったんですね。近年の方々はご存じないかもしれませんが、10年以上前の頃は多くの方がこのサイトを参考にし、そして阪本氏の著書を読み、説明会に参加して自らもロングステイを決めたという方は多いハズ。

当時のサイトは今でもそのまま残っていて、このサイトは今では話題になることはほとんどありませんが、知るべき情報をわかり易く書いてあるという意味で今でも貴重だと思っています。また内容は当然、古いですからそれは各自が調べて確認してみればいいだけのことなんですね。

そのサイトには「遺言書・信託」に関してかなりわかりやすく書かれています。

「ここから天国へ」(ここをクリック)

遺言書・信託に関して書かれている場所をここに転記させていただきます。

 遺言書を書きましょう

まだ遺言書のことは早いよとおっしゃる方が多いと思いますが、マレーシア・マイ・セカンド・ホームのことを視野に入れている方は必ず知っておかなければならないことなのです。というのはこれを知っておかないと後で困ったことになる可能性があり、また逆に知っておくと有利になることもあります。

その多くは日本とマレーシアの法律の違いから来ます。そこで私も結構な歳ですから自分の遺言書を書くという前提に立っていろいろ調べてみました。一方では多くの高齢者にマレーシア・マイ・セカンド・ホーム・プログラムでマレーシアに移住されることをお勧めしている立場上、どうしてもよく勉強しておきたかったテーマの一つです。

 マレーシアの法律が適用

まず日本人のセカンドホ-マーの方が亡くなった時に遺産相続はどちらの法律で取り仕切られるかの点ですが、国際法や日本・マレーシアの政府間協定などで明確には決められてはいません。従って亡くなったセカンドホ-マーがマレーシアで所有していた現金・預金、株式などの動産や家屋のような不動産はマレーシアの法律によって遺産相続が決められることが多いのですが、日本に居る親族などが日本の法律によって権利を主張してきた場合、それを一概に排除することは出来ません。それでも本人が日本の住民票を抜いてマレーシアの日本大使館に在留届を出しており、しかも一年のうち殆どはマレーシアに居住していたことがパスポートなどで証明できれば、日本に居る遺族からの日本法に基づく権利主張が通る可能性は極めて少ないと考えられます。

そうするとご自分の財産がマレーシアの法律ではどのような処分をされるかをよく知っておく必要があります。結論から言えば、遺言を書いておかないと大きな問題が起こる可能性があります。逆に遺言書さえ書いておけば全面的に本人の意思が通るという点で、マレーシアは遺言書オールマイティーの国です。

マレーシアの相続法では、遺言書がない場合遺産は両親に4分の1、妻(たち)に4分の1、子供(たち)に2分の1という配分になります。

日本に比べて妻への配分が少ないのが目立ちます。特にセカンドホ-マー夫妻の場合は、外国に夫婦で独立して根を生やすわけですから、奥様方はご主人によくお話になって、不幸にしてご主人に先立たれてもビザの継続と生活には困らないように、それぞれの遺言書を書いておかれることをお勧めします。

遺言書があれば全額遺言書の配分指示の通りになります。つまり例えば全額一人の妻に遺しても、入籍のない愛人に遺しても、慈善団体に寄付しても、理論的には猫に遺してもよく、その場合日本のような別の法定相続人の遺留分もありません。もちろん複数の相続人を特定して本人として適正と思われる配分率を自由に指定することもできます。

 MM2Hビザの定期預金

セカンドホ-マーのご主人がビザ取得のための定期預金を15万リンギ持ったまま亡くなったとします。この場合に奥様がセカンドホーム・ビザを継承するためには、ご主人の定期預金を全額相続する必要があります。これを他の相続人に分与されたのでは、ビザ継続に必要な金額に不足してしまいます。従ってビザの継続に必要な定期預金とその後の生活費を奥様に遺贈することを遺言書に明記しておく必要があります。日本の法律ではこれをしても他の相続人に対する定められた遺留分があり減額もあり得ますが、マレーシアでは全額遺言書に書かれた遺志が尊重されます。少なくとも残された奥様が困らないように、ビザ継続の定期預金と、奥様の年金で不足する生活費の部分は遺言書で奥様に遺贈すると明記しておくことが、ご主人の最低の義務であろうと思います。

 執行者の選任

なおここで付言しておきますが、遺言書を書くだけなら引き受けてくれる弁護士はたくさん居ますが、 Execution (遺言執行)まで引き受けてくれる弁護士は限られています。またExecutor(遺言執行者)は永続性のある名の通った法人を選ぶのが将来の不安を一掃するのに重要なことです。

 銀行預金などの凍結

ところがもう一つ問題があります。それはご本人が亡くなった直後、銀行預金が凍結されてしまうという問題です。高等裁判所で Probate (遺言検認)を取得するまでは凍結が解除されないので、奥様は銀行預金を下ろすことも、定期預金を使ってビザの延長をすることもできません。専門の弁護士を使って遺言を法的に問題ないものにしておかないと、相続人の間でも論争が起こって収拾のつかないことにもなりかねません。この国の4人妻がそれぞれ自分と自分の子供の権利を主張して揉めた場合、その混乱は想像を絶するものがあります。日本人のセカンドホ-マーの場合はそのような複数妻の心配はないにしても、 Probate が何年もかかるというような事は起こってはならないのです。

銀行預金の凍結が心配なら全ての銀行預金を奥様と連名口座(どちら一人のサインでも有効)にしておけばいいという考えがあって私もそうしていましたが、これは大きな間違いでした。この場合でも連名口座名義人の一人が亡くなると、口座は凍結されるので、同じ事になるのです。

宣言信託という方法が良い

高裁の Probate(遺言検認)が下りない期間中は銀行預金もその他の資産も手が付けられないというのでは、その期間が何らかの理由で長引けば遺族の生活まで危うくすることになるので、何か他に良い方法があるべきだと専門弁護士との話を進めたところTrust(信託)の提案が出てきました。

Trust(信託)の方式の良さは、本人の生存中に行なった契約行為であるので、遺言書にも優先することです。このため信託指定をされた財産は遺産には入らず、当然高裁のProbateの対象から外れます。本人が亡くなったあとはTriggering Events(発動要因)の中にDeath(死亡)を入れておけば、Trustee(被信託人)がすぐに信託契約条項に従って受託した財産をBeneficiary(信託受益者)に配分しても良いのです。

信託方式の場合通常の Trustee(被信託人:この場合は信託会社)と信託契約を結ぶLiving Trust(inter vivos trust)方式と、Declaration of Trust(宣言信託)の二つの方式がありますが、Living Trustの方は信託する銀行預金をあらかじめ信託口座(Trustee Account:名義人は本人)に振り込んでおく必要があり、信託口座はマレーシア・マイ・セカンド・ホームの場合のビザ用定期預金には使えません。これは移民局にも確認したのですが、セカンドホーム・ビザの取得のための定期預金は申請者の普通の定期預金であることが必要で、遺言信託の為に信託口座にした定期預金は受理できないというのが移民局の答えでした。

以上の結果、Declaration of Trust(宣言信託)が最も適切なやり方という結論になりました。(この相談をした相手は遺言信託の大手であるRockwills Trustという会社で、この会社の信託商品名として「UDeclare(ユーデクレア)」と呼ばれています。)

この宣言信託「 UDeclare(Rockwills Trust)」は面白い信託方式で、本人(信託契約上は「Settlor=継承財産決定人」)自らが主被信託人(Main Trustee)、Rockwills Trustが代理被信託人(Substitute Trustee)となります。この結果預金証書、証券類はすべてSettlor兼Main Trusteeである本人の名義で良いわけです。主被信託人(本人)から代理被信託人(Rockwills Trust)にはあらかじめ委任状(Power of Attorney)と信託譲渡証書(Trust Deed)が発行されます。

この宣言信託では Triggering Events (発動要因)、すなわち本人の主被信託人としての権利義務関係が代理被信託人の手に移る要件が、死亡のみならずTPD(Total Permanent Disability = 完全永久不能)、MD(Mental Disability = 知的障害)、本人のTrustee辞任も入れることが出来るので、例えば長期の知的障害などに代理被信託人が信託執行を行なうことが可能になるという実質的な柔軟性を持っている点に注目すべきです。

またマレーシアの信託法( Trust Law)では単一の被信託人(Trustee)が単一の信託受益人(Beneficiary)であることを排除しているので、本人を第一受益人(99%)、配偶者を第二信託受益人(1%)としますが、あくまで法律との整合性を取るための不都合の生じない便法であると理解します。

セカンドホ-マーのご夫婦の一方が亡くなった時に、取りあえずマレーシアでの生活の継続に困らないように、ビザに必要な定期預金や銀行預金、家屋、自動車、その他の家財道具を、遺された配偶者にトラブルも遅延もなく譲渡するのには Declaration of Trust(宣言信託)が最も適しているというのが結論です。内容的にはちょっと理解するのに複雑ですが、それも現行の法律の合法性の範囲で、実質的な遺言信託を、手続き的には簡便な信託パッケージ商品として用意しているものと理解されます。もちろん事故などによるSettlor(継承財産決定人)夫婦の同時死亡、または後日の残された配偶者の死亡の時の、第二信託受益者(子供など)への財産移転や配分率も、この宣言信託に記載しておくことが可能です。

 その他

なお宣言信託をするセカンドホーマーが日本に資産を持っていた場合はどうなるかについて触れておきますが、この場合はマレーシアで作る信託には入れることが出来ません。また遺言書の場合は日本の財産も入れておくことはできますが、日本の法律に基づく遺産相続権が優位になることが考えられるので、やはりこの分だけは日本の法律に基づき別途遺言書を書いておくのが無難と思われます。

更に相続の問題は相続法との関連のみならず、税法との関係も十分考慮して有利な財産の「遺し方」を考えるべき事は当然です。日本では相続税があり、また生前贈与についても贈与税がありますから相続による財産の移転が窮屈な国になっています。ところがマレーシアでは相続税も贈与税もありませんから、大きな財産を遺される予定のある方はよく研究されるといいでしょう。

この件に限らず、暇な時にこのサイトを眺めてみるのも良いと思います。情報は古いですが・・・。

 
 
 

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