「鶏レバーの低温調理」をしながら考えたこと:やっぱり「安全確保」は簡単ではない

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鶏レバーの低温調理をやってみました。

昨日のエントリーで書いた様に、綺麗に掃除した鶏レバーに油を加えて密封。それを68度で1時間、低温調理をしてみました。

真空パックをして。

68度のお湯をキープしてその中に沈めます。60分。

出来上がったものはキッチンペーパーで油分、水分を取り、「ごま油を回し、白ごまを掛けた」だけ。

これを「ごま油+塩+ショウガ」だけで食べました。ネギはNot in stock (笑)

美味しかった~~~~~~~~~。\(^o^)/

ところがですね、前に作ったのと色が違う。前のはこれ。なんで?

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前のはどうやって作ったか忘れましたし、それはまた後で調べるにしても、大事なことに気がついたんです。

前回もそうですが、今回も「鶏レバーから大量の【ドリップ】が出る」ということ。上に浮いているのは調理する時に入れた油ですが、下に沈んでいるのは「水分」というか「血」に見えます。それもこの画像からはわかりませんが、色は「鮮血」と言っても良いような色。この量は半端じゃない。

68度で60分の調理ということは「厚生労働省のいう安全基準は十分にパス」していますので、私はこれを危険じゃどうじゃ考える必要はないと思っているのですが・・・

あの血というかドリップってなんだろう・・・・・

この鶏レバーそのものは柔らかくてトロッとしていて美味しいことは美味しいのですが、こんなに大量のドリップが出てるって何?このドリップはそもそも何?と考えだしたんです。

本当はこれが美味しいんじゃない?

このレバーは美味しいけれど、焼鳥でうまくやいたレバーの方が美味しいのは間違いがない。いわゆるこのレバーって「臭みもないし、レバー嫌いでも食べられます」って感じ。

だから「良い」のではなくて、それって「駄目」っていうことじゃないんですかね。

「大事なものが抜けちゃっている」から「臭くないし」「苦手な人でも食べられる」ってことじゃないかと。

でも焼き鳥でも炒めたレバーでも「この大事なものは抜けていない」ってことですよね。

つまりですね、あるお店で食べたレバーの方が間違いなく美味しいんですよ。

このコンフィというか油煮によって大事なものが抜けてしまったのは間違いがないんじゃないですかね。じゃ、これって一体何?と考えてみると、「肝臓の組織だけ」じゃないかと。抜け殻。

だから間違いなく美味しくて食べやすいのだけれど、これは本当のレバーとはまるで違うもののはず。

もしかしたら、レバー料理って「血を食らう料理」かもしれない。血が入ったソーセージや血そのもので作るゼリー状の料理がありますが、もしかしたらレバー料理ってそれと同じ範疇にあるものかもしれない。

でも低温調理をすると「その大事なもの」は間違いなく抜け落ちる。

いや、それはそれで「こちらの方が美味しい」と思うならそれで良いんでしょう。でも「美味しいものを求める調理実験、低温調理」としては面白くないと思います。やっぱり駄目ですわ、これじゃ。

さて、ここで本題に入ります。

上に書いたように「ある店で食べた鶏レバーの方が美味しかった」のは間違いがないんですが、実はレバーのテクスチャーがその店のほうが柔らかかったんですよ。ということは?火の入り具合がもっと浅い?

ここって重要なところで、美味しいにしても「火が十分に通っていない」ってどういうことなのか?

私は鶏レバー好きですから、鶏レバーがあると必ずといって良いほど注文します。でも今まで(マレーシアで)食べた鶏レバーの中ではある店のレバーが一番柔らかくふわっと焼けていた。これってどういうことか?

私はその店の鶏レバーが危ないなんていうつもりは全く無いし、あの店に行ったら必ず鶏レバーを今後も食べようと思うし、鶏レバー好きには絶対に勧めたいと思っています。

でもそれとは別に考えないとならないことがあるんじゃないかと。

実はですね、マレーシアで低温調理だの、レバ刺しだの、70度で一分、63度なら何分で大丈夫なはずとか書きましたが、「マレーシアに詳しい方」から注意を受けたんですよ。メールです。

「マレーシアでは当然、食中毒事故を出した(和食)店があるのをご存知か?」と。

その内容をここに紹介することは不可能だし、それが事実かどうかを私も確かめるすべがありません。でも過去にあった例が書かれていました。そしてその中に「鶏レバー」もあった。

これを聞くと、「ああ、あの店か」って分かる人もいるのかもしれませんが、実際に事故は起きているんでしょう。

「美味しければ良い」と簡単に考えたら駄目だ、ってことですよね。

これに関しては私も大賛成で、だからこそ日本の場合は厚生労働省がどういうガイダンスを出しているとか、それをクリアするにはどうするべきかこのブログでも書いているわけで、食中毒に関して私は無関心どころか、読者の方から見れば危なっかしいと思うでしょうが、一応、公的機関の基準はクリアするようにしているわけですよ。

さて、我々が安心だと思う「プロの店」では何が起きているのか?

私が「焼きすぎては駄目だと言いつつ、実は焼きすぎている鶏レバー」のことを書きましたが、なぜ店はそういうふうにしているのか?

私としてはここに、まさに「焼鳥の難しさ」があると思います。きっちりした温度管理をしながら焼くなんて職人はいないだろうし、これは経験で覚えるしか無い。そして厚生労働省のガイダンスをクリアしていたとしても、本当にそれで大丈夫なのか?という問題があるはずで、店は必ずリスクを考えるんですね。なかなか冒険はできない。

そして、そのメールをくれた方は「魚」に関しても書いていらっしゃいました。

なぜ和食店は「日本からの魚しかつかわないのか」ってところ。

このことに関しても「ある店での食中毒事件」のことが書かれていました。地元のカツオだそうです。

煮たり焼いたりなら良いのでしょう。ただ刺し身となると話は別。

ま、店としては毎日毎日多くの客に刺し身を提供するわけで、延べ人数1万人が問題なくても、たった数人、おかしな状態になったら大問題となる。

私の実家は飲食店で、50年近くの歴史の中で食中毒は一度も出したことがありませんが、親族の仕出し屋で食中毒が出て、新聞には乗るわ、店は営業停止だわ、大変なことになるんですね。当たり前だと思います。保証だけじゃなくて社会的制裁を受け無くてはならない。

さて、マレーシアは?

地元にある魚なのに、なぜ何倍もする日本からの輸入魚を使うのか?

日本からの魚を使うのは美味しさだけじゃないってことをその方は書いておられた。

ま、店としては当然だろうと思います。

では私達、個人はこの辺をどう考えたら良いのか。

私自身は「一緒に食事をした友人が入院するほどの食あたりでも、私はなんともなかった」なんてことを何度か経験した変人ですが(笑)、やっぱりマレーシアの魚を刺し身で食べるのは(まだ)怖いと思っていて試していません。

きっと大丈夫なんだろうと高をくくっていますが・・・・・

新鮮な魚を見極めることが出来たら・・と思う方もいらっしゃるでしょう。私の実家は飲食店をやっていただけではなくて、私の父は築地の魚河岸の仲買人でした。ま、そんな家庭に育ちましたので私も多少の知識はあるんですよ。

でも一つ言えることは、「新鮮度と汚染度は違う」ってことなんですね。

よく言われるのが「牡蠣」です。牡蠣にあたるのはその牡蠣が古いからじゃないんですね。新しくても危ない。

さて、他の魚はどうなんでしょう。

私自身は「リスクをとっても良い」と思うタイプで(笑)、それこそスーパーやNSKにある魚でも、特に「アジ」は「刺身でいけるんじゃないか」と思うことが結構あるんです。

でもまだ試していません。その内、試すつもり。(笑)

でもそれを息子やヨメさんにも食べさすかというと難しい所。

実は今日ですが、ある日本食料売り場で買った「日本の有名ラーメン店の【生】ラーメン」を料理して食べて、ヨメさんは吐いたんですよ。具合が悪くなって、今、寝ています。一緒に食べた長男は吐くほどではないけれど、腹具合がおかしいとは言っています。

私は一緒に食べませんでしたが、先日、それを一人で食べたときにはなんともありませんでした。(笑)

結局ですね、「大丈夫か大丈夫じゃないか」は個人差が非常にあるってことじゃないかと思うんです。数年前にもこんなことがありました。私がワンウタマのイオンの前で売っている「出来合いの焼き鳥」を買ってきたんですが、ヨメさんは口に入れた瞬間、「臭い」と吐き出したんです。でもそれでもあたってしまって、3日間、ホテルで寝たきりになりました(このことはブログに書いたかも)。私はちょっと飲み込んじゃったけれど、何も起こらず。(笑)

上にも書きましたが、昔、友人と6人で六本木の超有名中華料理店に行きまして、「シジミの醤油漬け」を食べました。シジミの醤油漬けの美味しさを知っている方は多いと思いますが、これほど怖いものもないんですね。「生のシジミを醤油に漬けただけ」ですから。

この時、私以外は皆、大あたりになってしまい、一人は病院に行くことになりました。うまいうまいと一人で他の仲間の何倍も食べた私には何も起きなかった。(笑)

店に連絡したら、菓子折りと高級ウイスキーを持ってすっとんで来ましたよ。そして「どうかご内密に・」って。

友人は喜んじゃいましたが、私としては納得がいかず。でもあたった本人たちは「どうもすいません」なんて謝りに来た店のマネージャーにお礼をいっているんですから、なんともなかった私が文句を言う筋合いもない。

でも飲食業の家に育った私としては、これを放置するべきじゃないと思ったんです。

ま、それはそれとして、プロの店でもあたるときはあたる。

それなのに素人の「この魚は新鮮か?」という目利きだけで、マレーシアの魚を刺し身で食べても大丈夫なのか?またその魚が置かれていた環境、調理する環境も大事で、魚だけの問題じゃないのは当たり前。

私はそれでも試すつもりです。でもヨメさん、長男には食べさせない。ましてや知人に勧めることも出来ないし、頼まれても食べさせない。

私は「どうするべきか」を書いているんじゃないんです。それぞれが自己責任で決めれば良いことでしかない。

でも「安全だ」と思ったらかなりヤバイんじゃないですか?ということを書いておこうと思うのです。

何度も書きますが、私はトライします。これは意地みたいなもので、今まで世界のどこに行っても刺し身をトライするのは私の決め事で、これに変更はありません。(笑)

そして同じように考えている人って結構いると思うんですよ。そして思わぬ出来事になった経験を持っている方もいらっしゃるはず。

でもそれってブログを見ても例が見つからないし、私がもしそうなっても書かないかもしれない。NSKのアジを刺し身で食べたらあたった、なんて書いたら笑われるのがオチだと思うから。また上にも書いたように「店であたった」というのも書きづらいですよね。ブログはいつまでも残りますし、それが事実だとしても書きづらい。ましてや店は「前に食あたりを出しまして・・」なんてことも絶対に言わない。

でも業界人は「あの店で・・」なんて話は知っているはずで、でも大きな声では絶対に言わない。いつ何時、自分がそうなるかもわからないし、絶対に食あたりは出すまいと思うはず。だから日本からの魚しか刺し身にしないという店は多いんでしょう。

とまぁ、こういうことじゃないかと。

でも私は地元の魚を刺し身で食らうつもり。誰がなんといおうと食う!!(笑)

ちなみに、「火をしっかり通す料理」なら地元の魚で全く問題はないと思っています。美味しい美味しくないは別の話で、たとえばサンマにしたってNSKなり韓国食材店で安いのがありますが、あの伊勢丹でさえも「焼きサンマ」は10リンギ以下で売っているんですね。このサンマは日本から入ってきたものじゃないでしょう。またどの店とは言いませんが、やっぱり和食店で「安いサンマの塩焼き」を全面に出している店もある。

蒸したり焼いたり煮たり干したりしたらイケる魚は絶対にあるはず。それを探すのが楽しみ~~。

 
 
 

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