ローストビーフ:58度じゃダメだった【低温調理】

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今まで低温調理でローストビーフやステーキは数多く作ってきましたが、大体温度は55-56度。これで私の好きな仕上がりになって「あとは焼くだけ」になるんだけれど、どうしてもこれでは「生だ~~~~~」と騒ぐ人が我が家には約一名いる。ということで57度にしてみると折衷案でそこそこのものになるのがわかった。でも私とヨメさんの趣向の差が大きくて、これではどちらも満足できない。だから我が家では「ステーキの場合」は各自、自分で焼く決まりになっている。ヨメさんに「俺のも焼いて~」って頼んでも絶対に焼いてくれない。私が文句をつけることはないにしろ、心の中は読めるんでしょう。(笑)

ローストビーフは皆の分を一度に焼くしか無いわけで、じゃぁ、ヨメさんが喜ぶ感じにしてみようともう一度上げてみた。58度。ヨメさんはこの程度が良いという(本当はもうちょっと焼けていたほうが良いはず)。でも私としては「冗談言うな、馬鹿やろ~」の世界。

58度でこれ。肉は結構美味しいのがわかった、スーパーで売っている内腿。これはブライン液に浸けたり注入もされていない普通のブロック肉。この肉の切り方はダメですね。90度ずらして、繊維を断ち切るように切らないと・・。

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以前作った57度はこれ。

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この2つの写真はホワイトバランスを合わせていないので色の比較はちゃんと出来ないのだけれど、雰囲気の違いでわかっていただけるだろうか。

この57度はステーキだとしたら(私としては)「馬鹿野郎~~、焼き過ぎだ~~」状態だけれど、ローストビーフならこの程度の方が良いと思う。でもそれも肉の部位、レベルによっても違うはずで、この脂身も少ない腿肉の場合は、そこそこ焼いたほうが旨味を感じるのは間違いがない。そもそも肉は「焼くから味が出る」のであって、ローストビーフは決して「牛肉のたたき」とは違う料理だし、楽しみも違うわけだから、腿肉のローストビーフならこれが良いと思う。でもヨメさんはこれでも「生だ~~~~~~」と言う。

でもそもそも肉をどの程度焼くと美味しいと思うのかの個人差が大きすぎると思う。だからステーキ屋では必ず焼き方を聞く。でも店によって「ミディアムレア」の焼き具合って微妙に違っていて、店によっては「レア」と頼んだほうが良いケースもあったり(私はいつもレア)。じゃあ「レア」ならいつもその焼き具合で出てくるかというと、それが一定なのは「ちゃんとした店」の「ちゃんとしたシェフ」だからであって、鉄板焼き屋に行ってもシェフが違うとどんなものが出てくるかわからない。オーストラリアの場合は「レア」と頼んでも「ミディアム」を出す店が結構ある。だから「ブルー」と言ったほうが良いケースもあるんだけれど、面白いのはシドニーから来た次男坊が、「俺もオヤジの真似をしてブルーって頼むんだぜ」なんて言っていた。(笑)

だからどうしたって、知っている店の知っているシェフに焼いてもらいたいと思う。でも私より味には五月蝿いヨメさんにそういうこだわりはない。

焼き方は大事だけれど、もっと大事なのはその肉そのものであるし、ソースももちろん大事で、ステーキってのはそれだけ難しく微妙な料理だってのがよく分かる。

じゃぁローストビーフは?って考えてみると、なぜか自分の中ではステーキに比べるとかなり「格下」に考えていて、「高い肉「高い部位」は使わないし、焼き方やソースもステーキほどには拘らない。これって誰でもそうだろうと私は思っていて、スーパーで焼いたステーキは売っていないけれど(笑)、焼いたローストビーフは売っている。ま、ローストビーフは「冷盆(コールドアペタイザー)」で食べることが多いからそれで良いのだろうとは思う。

実際にレストランで食べても、(オーストラリアでは良くある)「焼き過ぎ」だと腹が立つけれど、多少自分の好みとは違っていてもローストビーフの場合は「ま、こんなもんだろう」と妥協は出来る。でもステーキだったら妥協したくない。

そもそもローストビーフってのはその程度の料理なのか?

でもローストビーフに使う肉ってステーキとは違うわけで、私は「腿肉(肩肉も)」のステーキを食べた覚えはなくて、弁当や安い定食屋のステーキでは使われることはあるにしろ、腿肉をステーキとして拘って作ってみるということは考えたこともない。でも腿肉は腿肉で間違いなく美味しいと思うし(肩肉も同じく)、腿肉に敬意を払うためにも(笑)、ちゃんと作ってみたいと思うわけです。

でも食べる人に合わせて焼くことはあり得ないわけで、皆に「美味しい~~」って思ってもらうのは不可能なんだろうと思ったり。最大公約数を考えて作るにしても、個人の趣向の幅は広すぎて、ストライクを投げることは出来ない。常にストライクギリギリのボールになってしまうんじゃなかろうか。

これじゃ「自分の好きなローストビーフ」は出来ても、家族皆が「美味しい~~~」って言ってくれることは無いということになる。

私はローストビーフの専門店に行ったことって無いのだけれど、そういう店は何を基準に考えているんだろうか。それぞれの客にステーキみたいに合わせられる料理じゃないからローストビーフ専門店って難しいんじゃないかと思ったり。そう考えてみると「焼肉屋」って凄いと思ったり。でも韓国的サービスで「おねぇさんが焼いてくれる」焼肉屋って本末転倒じゃないだろうか。そういう店では「私達が自分で焼く」っていうのだけれど、なぜか嫌な顔をされる。なんで?ガス(炭)代が気になるのか?

間違いがないのは「焼き具合」なんてのはたくさんある「美味しい要素」の一つでしか無くて、焼き具合だけでそのローストビーフの良し悪しが決まることはあり得ない。肉そのものが美味しくないとか、味付け、ソース、付け合せがダメだったり、焼き方にしても「内部は良くても外側がダメ」つまり、カリッとするぐらいに焼けていなければ全てが台無しになる。

そう考えてみると料理ってなんでも同じか・・。(笑)

自分で作る料理にこだわりなんて捨てちゃったほうが良いような気がしてきましたわ。

でも少なくとも自分が「美味しい~」と思えるものは作れるようになりたいなぁ・・・。

いやいや、自分で作る料理なんてのは「栄養補給」ぐらいに考えて、美味しいものは自分に合う店を見つけて外で食べると決めてしまうのが一番賢いかもしれない。

それを言ったらヨメさんは真っ赤になって怒るだろうなぁ・・・。(笑)

マレーシアに行ったら美味しい店はいくらでもあるから、料理をしようなんて言う気は起きなくなるんだろうか。それとも「あの店の味を家で再現してみる」なんてのが楽しみになるのかな?

 
 
 

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