今どきの日本の富裕層が考える【海外移住】に関して

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日本からの海外移住の歴史って半端じゃなく長い歴史があるわけですが、時代と共に内容は変わって来ましたね。

移住する理由も、移住先も、移住方法にも変遷があって、それを知るのも面白いと思います。

最近は「富裕層が海外移住する」という動きが広がってきて、また新たな日本の海外移住史が更新されるのでしょうが、今までとは違って「決して特殊な人ではない人たちの中にそれが広がっている」と感じます。

それは「食えないから海外に出る」というのから、「お金を掴んだから海外に出る」という大きな変化であり、昔なら考えられない「若者にもそういう富裕層が広がっている」のが現代の特徴。

そんな今の状況をあの「中田敦彦のYouTube大学」で説明していました。

この内容が、今の若者達の「バイブル」みたいになるんでしょう。

まずは「日本のシン富裕層 特徴と海外移住」

その続編で、「移住国の選び方と最強のシン富裕層とは?」

私としてはこの内容は全然ダメだと思うのですが、でもま、何の情報も持たない、でも夢だけはある若者、シン富裕層予備軍の「基礎知識」としては良いのかもですね。

中田氏自身が海外に居住した経験があるわけですが、その彼がこれだけの知識しかないとしたら、随分、いい加減だったんだなというのが私の印象です。

富裕層の考え方とするなら、まず一番最初に【税金の話】が出てきても良さそうなもので、また生活費は「その国の社会保障と大きな関係がある」じゃないですか。そして「長期滞在ビザ」と「永住権」にはとんでもない大きな違いがあるのに、その辺をきっちり区別していないのは情報として不十分だと思いました。

例えば、永住権があれば「子供の高校卒業までの学費は無料」とか、「医療費は原則無料」、その他、国の補助金っていろいろあってそれは永住権があれば「国民とほぼ同じ権利を持つ」ことから、当人たちは守られる。でも例えばMM2Hみたいな長期滞在ビザは「限りなく長期旅行ビザ」に似ていて、国が助けてくれることもないし、ビザ保有者が出来ることはかなり限られている。だからMM2Hで長期滞在するのは良いにしても「家族を連れて移住する」というのは私はかなり注意が必要だと思っています。

私も1991年に家族4人でオーストラリアに移住しましたが、「もし永住権が取れなかったら移住はぜったいにしなかった」と断言できます

だから中田氏の話の中に出てくる国々も、「長期滞在ビザ」なのか「永住ビザ」なのかで全く違うわけで、「長期滞在ビザでは心もとない」こともある。これは「税金と同じくらい重要」なわけで、その辺を無視した話って意味がないような気もしてきます。

「金があるから大丈夫」というのも【その時点では】という但書がつくわけで、人生は長く想定外のことが普通に起きるのが人生だと私は思うのですが、「想定外をも想定する」つもりがないと結構難しいだろうと思っています。

当然、「永住権を持っている方が有利」なわけですが、【永住権を維持する条件】もあるわけで、話の中で出てきてガクト氏の様に、「何カ国かの長期滞在ビザ(永住権含む)を持てば良い」なんてうまい具合にいかないのね。

永住権は「その国に住みたい人に出す」わけで、「とりあえず持っているだけ」というのは出来ないのが普通。つまり、「維持に必要な滞在日数などの条件がある」のが普通で、中田氏の話からイメージする「世界を渡り歩く富裕層」というのは実は現実には難しいはず。

でもま、こういう動画を見て「本当にその気になって行動に移す人」って非常に少ないのが普通で、「なるほどねぇ。俺もいつかそんなふうになりたいな」と思う程度の人達に、詳しい情報を提供しても意味がないのかもしれない。

「夢を持たせる」のがまさに中田氏の仕事だと考えればこれで十分なんでしょうね。

いやいや、やっぱり夢があるような話を持ち出して、「再生数を稼ぐための適当な話」という方が正解かもです。あのホップステップジャンプの話なんてただの妄想にしか思えませんし。でも「日本を出て世界に羽ばたきたい」と夢を持っているような人たちには受けるのかもですね。

きっと実際に行動に移そうとした時に、「目の前に大きな壁があるのに気づく」ことになるんでしょう。でもそれはそれでOKで、最初からややこしくて難しいことばかり言ったら「夢を持つことさえ躊躇する」はずで、やっぱり中田氏の動画はこれで良いのかもね。

でも私として一番気になったのは「彼の説明する方法以外に、移住する手立てはいくらでもある」ってことなんです。

彼が今回説明したのは「金をかけて居住権を手に入れる方法」ですが、本来は、「そういう方法を取る人たちのほうが圧倒的に少ない」のが現実だと私は思っています。

ま、お金があれば手っ取り早いという考え方なんでしょうが、【お金が無くても大丈夫なように門戸は開かれている】ところも強調して欲しいと思いました。

私は海外に出てから30年以上経ちますし、海外に多くの親族が移住していることもあって、各地での様々な問題も見聞きしてきましたが、「幸せをつかめなかった人たちの多さ」は驚くばかりです。

でもそういう人たちの共通点もあるのがわかっていて「詳しい調査もせずに、【海外に住みたい】という思いばかりが先行して、やるべき準備もしてこなかった」と感じます。独り身ならまだしも「一家離散」なんてのも見てきましたし、「今更日本に帰ることも出来ない」と底辺の生活をして、結局は安アパートで孤独死をした(かつては大金持ちだった)友人もいます。

実は私の叔母(父の妹)も大変苦労しまして、家族でアメリカに渡り、ロスアンジェルスに居を構えた頃はサウスパサディナの高級住宅地の丘の上の、とんでもなく立派な大邸宅で生活をしていました。旦那がカリフォルニアとメキシコで海産物を扱って日本に輸出していて景気も良かったから。

でもその会社が倒産した後、離婚をし、アメリカの永住権もなく、今更日本に帰ることもせずに、5人の子供を抱えたまま【不法滞在者】としてメキシコ人たちと同じ様に働いて(不法労働)生き延びていました。

恩赦がある時期があって、どうにか永住権をとり、今では子供たちも皆成人しそれぞれが家庭を持って幸せな生活をしていますが、20年以上、家族ともども半端じゃない苦労をし続けました。「不法滞在+不法労働」で子供5人を育てるって想像しただけでも目眩がしそうです。

でも終わりよければ全て良しで、この叔母の例は「良い例」なのね。

夢を持つのは大事ですが、ある頃からは「どういう問題があるのか、失敗例があるのか」をきっちり調べることも重要だと思います。ここで注意が必要なのは「情報交換をする時には【自分と同じ境遇の人たちとしても意味はない】ってこと」なんですね。「希望に満ち溢れている、そして移住して数年程度の人たちの情報交換ってどういうことになるかは簡単に想像できると思います。

だから情報を集めるなら、「その地に少なくとも20年は生活している人」、そして「子供もその地で育て上げた人」からがベストだと思います。でも多くの人達は「経験者から上から目線でああじゃこうじゃと知ったかぶりして言われるのは嫌」ですから、【似たような境遇の仲間とつるんでしまう】のね。みんな「似たような問題を抱えている」のが普通でしたから。

私もそうでした。(笑)

 

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