捕らぬ狸の皮算用の大事さ

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前の日記に色々書きましたが、その中で捕らぬ狸の皮算用のことを書きました。

このことわざを使うときって、出来もしないことを出来ると仮定して将来どれほどの利益があるのか話題にする時ですよね。馬鹿にした使い方をする。

ところがですね、これって計画とか成功の論理を馬鹿にしているのと同じことなんですよ。

私の周りにトレーダーらしいトレーダーっていなくて、株式を多少持っているとか、ちょっとFXをいじったけれどまるで駄目だったとかそういう人ばかり。でも去年は間接的な知り合いがFXで大損して大変なことになったという話を何度か聞きました。長男の友人で学生のくせして親にやってみろと言われてやったら20万ドル損したとか(大金持ちの中国人)、姉の友人がやっぱりX千万やられたとか、またこのブログの読者で御姉妹だったかなX億円やられたなんて話を聞きました。

まぁ、こういう話は巷にはいくらでもあるわけで、金相場でほとんどの財産をなくしたと言う知り合いがゴールドコーストにいますし、また私のオヤジもそう、そして私もかつては・・・(笑)

どうしてこんなことが起きるんでしょうか。

人それぞれ違いますからなんとも言えませんが、間違いないのは広い意味での資金管理に失敗したと言うことですね。損切りが出来ないのもそうでしょうし、レバレッジのかけ方に問題もあるんでしょう。これってトレード技術が上手い下手じゃなくて、もっと基本的なところに問題があるんですね。

前にも書きましたが、そもそも相場って上がるか下がるか(動かないか)しかないわけで、これを当て物だとすれば、サイコロを振ろうがコインを投げて裏表で決めようが鉛筆をころがそうが、勝率って5割なんですね。ここが基本。

じゃぁなんで80%以上の人が負けるのかというと、それは心理のせい。損きりが出来ないのもそうだし、負けているのに取り戻そうと思ってどんどん投資金額を大きくしたり、とにかく人間の心理は必ず負けるほうに動くと断定して良いと思います。ここも基本。

システムトレードが大事だと言うのはこのことで、トレードに入る前に、何をしたいのか、どのくらい利益があったら、あるいはどのくらいの損が出たらとにかく撤退するとか、そういうのを決めてトレードすれば上に書いたような馬鹿なことは起きないわけです。でもこれを軽視するんですね。それもまた心理の作用。

不安と欲の塊である心理をいかにコントロールするか、排除するかが何よりも大事なのはわかると思います。

スキャルの話ですが、スキャルでは絶対に大きな損は出ないと前に断定しましたが、これも規則を決めてそれに沿ってやれば、という前提です。

ダボ流スキャルの場合は何よりも勝率を大事にします。ここに関しては相場の王道と言われる考え方と相反するところですが、でも勝率を重視しない限り絶対に大きな利益を上げることはできません。じゃぁロットを大きくすればいいじゃないかと思う人がいたとすれば、それは上に書いた失敗する人の考え方でしかなくて、勝つか負けるかわからないものに大きく張るのは馬鹿としか言いようがありません。

ですから、どんなに小さい単位でも構いませんし、そして値動きとは必ず小さな波の複合体であって、その小さな波を取るつもりでいればかなりの勝率が稼げるという理屈です。波がいくつか連なってそれが大きなトレンドになるのか、ヨコヨコになるのか、あるいはその小さな波を最後にトレンドが変わるのか、それは誰にもわからないわけです。でも小さな波が目の前で動いているのは簡単にわかりますから、その小さな波を取ることだけに集中すると言う手法です。

これだと勝率を上げることは比較的簡単で、たとえ2PIPSでも5PIPSでも確実に取れるように練習する。その2PIPSは1万ドルロットだったらたったの200円かもしれない。でもそれで一向に構わないわけです。とにかくそれを繰り返し、一日2000円をノルマと決めて稼げるようにする。

これが出来るようになって初めてロットを大きくするわけです。1万ドルを2万ドル、そして4万ドル10万ドル20万ドル50万ドルと上げていく。もし途中で勝てなくなったとしたらもちろんロットは減らしますから、どうしたって何千万円なんてお金を損しようがないんです。もし全く勝てない、あるいは勝ったり負けたりの連続で、どうやっても勝率が上がらないようなら縁がなかったと思って諦めるだけで、その時の負け合計は10万円にも満たないんじゃないでしょうか。そういうレベルの技量しかないのに大きく張るから、勝ったり負けたり、そしてある日ある時、どかんとやられて何千万なんてことが起きるのだろうと思います。

だから捕らぬ狸の皮算用を馬鹿にするのではなくて、小さな目標を目の前に掲げて、それを一つ一つクリアーしていけば何の問題も起きないんですね。だから毎月10万円稼げるようになれば、それは1000万稼げるのと同じことだと私は何度も言うわけです。ただロットを大きくしていきますと、ビビるようになるのが普通で冷静な判断が出来なくなることはおうおうにしてある。それは慣れで乗り越えるか、あるいは自分の器はそこまでと諦めるかどちらかで、ここでも莫大な損がでるなんてことはありえません。

また慣れるためにも心理は極力排除してシステム化することが大事。T/PやS/Lをエントリーの時点で入れるのもMustです。つまり自分がやるべきことはエントリーのポイントを見つけてエンターキーを押すだけ。そして動きがおかしいと思ったらS/Lに達せずとも早めの撤退をする程度。そういうことを決めずに心理に任せて出撃撤退をしている限り、勝てるようにはならないと思います。

そして勝てるようになれば、どんどんロットを大きくするだけ。

なーんて偉そうなことを言っていますが、私の場合は小心者ですのでこのロットを大きくするのはかなり慎重にやりましたし、長時間で出撃回数を増やす方向でやっていました。上手い人はこのロット管理もシステム化するんですね。だからちょっとロットが大きすぎるんじゃないかなんて心配もしないし、調子が良いからちょっと大きくしてやろうかなんて爪も伸ばさない。ロジックさえきっちり作っておけば、その通りにやればよいだけなんです。

捕らぬ狸の皮算用は上ばかり見た考え方ですが、それとは逆の考え方。なんていうのかわかりませんが、しいて言えば「捕られた狸」でしょうか。損することばかり想定した捕られた狸の皮算用も一緒にやるんですね。つまり負けた場合は、同じようにどんどんロットを小さくすると言う考え方。

この二つを組み合わせて資金管理、Capital Managementのロジックを作ることが大事だと思います。

これの例はいくらでもありますが、損したら次は大きくすると言うマーチンゲールの考え方は排除します。あくまで勝ったら大きくする、負けたら小さくするというのが基本中の基本。

この方法でやっていれば、勝率が高ければどんどんロットは大きくなりますし、勝率が低ければロットは小さいままですから、いくらでも自分の手法を冷静に吟味するチャンスがあるんですね。だからこの方法なら絶対に、絶対にですよ、大きく損することはありえないわけです。もう駄目だ、俺には無理だ、勝てないと思ったときでも負け総額はしれたもんです。

ですから捕らぬ狸の皮算用を笑うのではなく、それと捕られた狸の皮算用(?)も合わせてしっかりロジックを組めば、後はトレード技法だけに集中すればOK。逆にCapital Managementが出来ていない限りトレード技法がどれだけ上がっても、いつかドカンとやられる危険はついて回るし、あるいはせっかくの技術を成果として出せないことが起きる。

とにかく負けるのは自分の心理のせいだというのをはっきり自覚することが基本中の基本だと思います。心理とは自分の一部なのに、不安と欲の塊で、常に自分には不利な方向へ動くものだと考えるべき。この理屈がわからなくても、そういうもんだと決め付けてしまうのが大事で、それが出来ない限りトレードでどうにかなることは有り得ないと思います。

このCapital Managementを説明している動画があります。英語ですが、あるトレード方法を教える会社のウェビナー(ネット上での勉強会)の動画です。この動画では一連の話をしていて、ファンダメンタルズが大事だと言う考え方の上に成り立っています。いわゆる指標発表のニュースを利用しろということなんですが、それは単に大きなトレンドが出来るのはそういうときだからと解釈すれば、ファンダメンタルズを重視しない手法の人でもその他のところを聞くとかなりすんなり理解できると思います。後半はちょっとややこしいですが、最初の部分のCapital Managementの考え方だけ見ても面白いと思います。この動画ではこのCapital Managementをしっかりしない限り駄目だと断定しています。私もその通りだと思うし、これを「捕らぬ狸の皮算用」と馬鹿にするのではなく、いかにそれに乗るかを考えるべきだと思います。

アメリカではこういうやり方をするトレーダーって結構多いのね。日本もこういうシステマティックな考え方を取り入れてちゃんとした指導教室があれば良いのにね。チャートの見方はどうじゃとか、そんなのは大きな木の一本の枝の話でしかないんですから。

下の図のブルーのラインがCapital Managementを使った場合で、それなしでは赤のラインのように勝ったり負けたりが延々続くと説明しています。

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彼の説明するロジックではこういう捕らぬ狸の皮算用+捕られた狸の皮算用で、1万ドルの初期投資でこう変わると説明しています。ちょっと前提に問題があることはあるのですが、こういう考え方を基本にするのは良いと思います。勝率によってロット数、レバレッジを変えていく方法。トレードそのものは全く変わらず。勝率が悪ければロットは小さいままで損も大きくなりません。つまり、勝率が高い手法とこれを組み合わせたら面白いことになるって事ですね。なかなか簡単には行きませんが、我々が狙うべき方向はこれだと思います。そして、ダボ流スキャルの特徴は、勝率を上げるためには最小単位の波で完結するトレードで、でもトレンド方向を狙って勝率と値幅を稼ぐという考え方です。

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その動画があるページ。ヒントがいろいろあって面白い ← クリック

関係ないですが、動画の中に気に入った画像がありました。「人に魚を与えれば一日で食べてしまうが、釣りを教えれば一生食べていける」というキャプションが入っていますが、本当にこれって大事で、弱肉強食のこの世の中でいかに我々のような平民が生きていくかの指針だと思います。そしてこの絵、良いですねぇ。食物連鎖の頂上にいるのが団結した小魚。最高です。(笑)

私がなぜ相場のことをこのブログに書くかというと、こういう世界を夢見ているから。日本人はこれが得意なはずなんですよね。日本も頑張って欲しいなぁ~~。

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